近年、地域の中小企業を取り巻く課題はますます複雑化しています。
人材の確保・育成、事業承継、そして地域経済の持続性。
これらの課題に、企業単体で取り組むには限界がある・・そう感じている経営者の方も多いのではないでしょうか。
一方で、地域で育つ高校生たちは、将来の選択肢を見いだせず、地元を離れていくケースが後を絶ちません。
企業と若者の間には、大きな“情報と体験の断絶”が生まれています。
この“分断”を乗り越え、地域の未来を共に創る仕組みとして私たちが提案するのが、「未来留学」です。
未来留学は、実際の経営課題に商業科の学生が挑む実践型のキャリア教育プログラム。
企業にとっては、これからの担い手候補と出会い、自社や地域の価値を再発見する機会に。
学生にとっては、地域の現場に触れ、自らのキャリアを自ら考えるきっかけになります。
“教育”と“地域経済”をつなぐ、新しい承継のかたちとして、未来留学が果たす役割にぜひご注目ください。
2040年、日本の約半数にあたる896の市区町村が「消滅可能性都市」になると予測されています。
この根拠は、女性と子どもの数の減少。つまり、次世代を担う人材が地域からいなくなることが、地域の持続可能性を脅かしているのです。実際、地方では少子高齢化により、事業の引き継ぎすら困難な企業が増加しています。
企業がなくなれば、働く場も、経済の流れも消え、地域そのものが衰退していく――これは、もはや他人ごとではありません。
この流れを変える鍵は、「親から子」だけではなく、“地域の子どもたち”が“地域の事業”を引き継いでいくという新たな仕組み、すなわち「地域承継」です。
そしてその主役は、いまの高校生・大学生たち。
しかし、私たちが実施したフィールドリサーチでは、こんな声が多く聞かれました。
多くの若者が、未来に対して“漠然とした不安”を抱えています。
地元企業の良さを知る機会がないまま進学・就職し、地域との関わりを持てない若者が増え続けているのが現状です。
だからこそ今、地域と若者がつながる「場」が必要です。
未来留学は、そのための一歩です。
未来留学は、高校生が地元の中小企業の「経営課題の現場」に“留学”し、実践的に学ぶ新しいプログラムです。
参加する高校生は、地元企業の実際の課題に取り組み、企業の方々や専門家(税理士・中小企業診断士・経営コンサルタント)と一緒に解決に挑みます。
この取り組みを通じて、私たちは次のような未来の地域に活躍する若者を育てたいと考えています。
高校での学びを、実際の現場で活かす「実学実践」。
地域の企業と共に働くことを通じて、将来のキャリア像を描けるようになる支援。
そして地域・企業・学校が一体となって、地域の担い手を育てる循環をつくっていく。
それが未来留学の目指す姿です。
未来留学は、2024年から岐阜・愛知・三重を中心に始動し、2026年までに東海全域へ展開、そして2030年には全国への広がりを見据えています。
これからのまちを残すのは、行政だけではできません。
若者と、企業と、地域が一緒になって育てていく未来を、私たちは一緒につくりたいと願っています。
本ブログでは、今後、未来留学に参加した高校生の声、企業との取り組み事例、現場の裏側などを発信していきます。
ぜひ今後の「未来留学」にご注目ください。
現在進行中の「第二期未来留学」では、高校生たちが地域企業のリアルな経営課題に挑戦しています。
その集大成となるのが、2025年12月21日(日)開催の「第二期未来留学 成果発表会」です。
高校生たちが企業の経営課題に向き合い、自分たちの視点で考え抜いた課題解決の提案内容を発表します。
地域の企業と真剣に向き合った経験から生まれた、高校生ならではの柔軟な発想や熱意ある提案を、ぜひ多くの皆さまにご覧いただきたいと思います。
地域の未来を担う高校生たちの挑戦を、ぜひその目で見届けてください。
未来留学に興味を持っていただけたなら、まずは成果発表会へのご参加から一歩踏み出してみませんか?
参加されることで、この取り組みに参画いただくことができます。
今後もブログでは、未来留学の授業レポートや生徒たちの声を随時お届けしていきます。
ぜひ引き続きご注目ください!